【一般質問】なぜできない?民間ブロック塀等の危険箇所への対応について
一般質問のテーマのひとつ
「民間ブロック塀等の危険箇所への対応」について質問いたしました。
なぜ議場での質問をするに至ったかというと、
「高槻市が把握しているブロック塀等の危険箇所は120箇所あるが、それらの所有者に対しては直接的に改善等の働きかけはしていない。」
ということが、管轄する部局(=高槻市教育委員会 保健給食課)との事前の意見交換で判明したからです。
ちなみに、
通学路沿いのブロック塀等の危険箇所への対応=保健給食課(教育委員会)
(危険の有無関わらず)ブロック塀等の補助関係の対応=審査指導課(都市創造部)
となっており、
ブロック塀に関することでも管轄の部局が異なっています。
もともとは地域の方から「子どもの通学路沿いに傾いているブロック塀があるので対応をお願いしたい」と相談をいただいていた案件でした。
担当部局へ相談した際に、「所有者への対応をいたします!」という返答であればとくに議場で質問するテーマではなかったのですが、担当者と意見交換をする中で、
???
となる点があり納得できない対応だったからです。
通学路沿いの危険箇所を把握しているのは、保険給食課という部署が担当されていました。(追記:のちに、学校安全課に変わりました)
この意見交換の場(全部で3回ほどやってますが)には、審査指導課の担当者も同席していただいておりましたが、審査指導課の担当者からも「せめて保健給食課さんでポスティングぐらいはできるんじゃないんですか」と言われておりましたが話は平行線のままでした。
話がなかなか進まずでしたが、取り急ぎの対応として、後日、私が相談をいただいていたブロック塀の所有者へは審査指導課の方から補助制度の案内を届けにいってくれました。
ここで少し、論点をまとめてみたいと思います。
【論点整理】
・通学路沿いのブロック塀等の危険箇所の把握は、保健給食課(教育委員会)が担当。
・保健給食課としてブロック塀等の危険箇所を120箇所(※内20箇所は所有者が自主的に改善済み)ほど把握している。
・審査指導課とは危険箇所の情報を共有しているわけではない様子。
・決して保健給食課がなにもしていない訳ではなく、教育委員会という立場で子供達の安全確保のために危険箇所を避けるべく通学路の変更などの対応はしている。
・子供達の通学経路の変更はしているもののブロック塀沿いを通るのは子供達だけとは限らない。
・保健給食課の方ではブロック塀等の所有者に対してのアプローチはできずにいた。(→あくまで子供達への対応はしている)
・審査指導課としては危険の有無に関わらず、市民からの相談等があれば所有者へのアプローチはしている。
・結局、危険箇所として把握している場所は誰が対応するの??→答え出ず。
➡️上記のことから見えてきたのは、
把握しているブロック塀等の危険箇所が、いわゆる行政の縦割りの狭間にいるような状況。
ということでした。
保健給食課の方で危険箇所として認識しているものの対応ができずにいた状況や、審査指導課との情報共有などこれからの対応の改善を図っていただくためにも、これは議会で問題提起する必要があると判断しました。
上記の経緯を踏まえ、一般質問の原稿を作成することに。。
しかしながら事前の答弁調整でも結局は平行線のままで、一般質問で取り上げても問題提起にはなるかもしれないが根本的な解決に果たしてなるのだろうかと悶々としておりました。
7月11日の一般質問の前日夕方。
原稿準備のために控え室にて作業をしていると、
保健給食課の担当者が来られ、
「『通学路沿道の所有者にも、声かけをいたします』と答弁を変えさせていただきます。」
と、まさかの直前で方向転換!
思わず、
「なにがあったんですか!?」
と聞いてしまいましたが、なにより前向きな答えが返ってきたことには間違いないので、急いで質問原稿を修正し直し、一般質問に臨みました。
以下、議場でのやりとりを掲載しております。
高槻市議会は一括質問方式という質問のやりとりですが、この記事では質疑が分かりやすいように「一問一答方式」で書いております。
民間ブロック塀等への対応について
<市來>
高槻市では子供たちの通学の安心安全のために学校を含めた公共施設のブロック塀の撤去を行ってこられました。平成31年度からはブロック塀等の撤去を促進する補助制度を拡充するなどさらなる改善を進めていることと認識しております。
そこで、まずは、2点質問いたします。
1点目は、通学路における民間のブロック塀等の倒壊の危険性や家屋の倒壊、ならびに瓦の落下の危険箇所の把握状況についてお聞きかせください。
2点目は、通学路における危険箇所への対応についてお聞きかせください。
<理事者>
1点目の、通学路における危険箇所についてですが、発災直後に、教職員を中心とした緊急点検を実施し、また昨年7月には、市PTA協議会が中心となり、保護者、地域住民、教職員、教育委員会で校区一斉点検を実施しました。さらには、11月に設置した「通学路における危険と思われる箇所連絡窓口」に寄せられた市民からの情報をもとに、現地の状況確認を行っております。これらにより、ブロック塀等で危険性が高い箇所は、約90箇所、家屋や瓦で危険性が高いところ約30箇所を把握しております。
2点目の、通学路における危険箇所への対応についてですが、速やかな安全確保を図るため、現地では、ロープやカラーコーンの設置により子どもたちに対して、注意喚起を図っております。さらには、危険箇所の手前から反対側の道路を通行させたり、通学経路の変更をしたりすることにより、登下校時の児童の安全確保に努めております。
<市來>
先の答弁でもありましたが、保健給食課の方で認識されている通学路沿いにおけるブロック塀や瓦等含めた危険箇所はあわせて120箇所ほどあるとのことでした。ロープなどでの注意喚起や子供たちの通学経路の変更などの対応はしているとのご答弁でしたが、事前にお話しを伺って分かったことですが、危険箇所として把握されているブロック塀等の所有者に対して、直接的に改善を促すようなアプローチなどはされていないとのことでした。
震災から一年が経過し、保健給食課の方で危険箇所としてすでに認識されているのであれば、ブロック塀の所有者に対して、せめて補助制度の案内だけでもポスティングするなど、なんらかのアプローチを早急にしておくべきかと考えますがいかがでしょうか?
<理事者>
今後の通学路の危険箇所についてですが、発災後、早期にブロック塀等撤去の補助制度を設けるなど、撤去の促進に努めてまいりました。今年度は補助額の上限を引き上げるなど、更なるブロック塀等の撤去を推進するとともに、国の補助制度を活用し、地域住民や学校関係者等と連携した、地域の安全確保モデル事業を取り組む中で、通学路沿道の所有者にも、声かけ等を行ってまいります。今後についても、学校や地域と連携しながら、通学路のさらなる安全対策に取り組んでまいります。
<市來>
危険箇所として把握しているブロック塀等の所有者に対してお声かけなどをしていただけるとの答弁をいただきました。
危険箇所に対するアプローチはまだされていないとのことでしたので、万が一、危険箇所で事故が起きてしまった際に、「危険箇所として認識していたのに高槻市はなにもしていなかった」となっては、昨年の事故と同じような過ちを繰り返してしまうことになるのではないかと危惧しておりましたので、まずはお声かけしていただけるということで安心しました。
所有者それぞれの事情があるので慎重にアプローチしないといけないことや、審査指導課等との調整も必要であるといった組織の事情ついても事前に伺っておりますし、私もそれらについては一定理解しているつもりです。
しかしながら、なにより一番に考えなければならないのは市民の安心安全を守ることです。課題対応について部署がまたがっているのであれば関係部署間で連携して情報の共有をおこなわなければなりません。
高槻市の震災に対するイメージ改善をするためにも、早急に課題解決に向けた取り組みを進めていただきますようお願い致します。
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