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生まれ育った高槻をもっと良くしたい!高槻市議会議員 市来ハヤトの議会報告ブログです。(きまぐれ更新)

PTAの改革支援について一般質問いたしました。【高槻市議会】【一般質問】2021/12/15

令和3年12月に開催された高槻市議会定例会において、PTAの改革支援について一般質問いたしました。

 

私自身、令和3年度には本市小学校のPTA役員を務めさせていただいたこともあり、PTA運営に関して様々な声をいただくことができました。

 

皆様からいただいた意見をもとに、PTA活動における課題と今後の支援のあり方について高槻市教育委員会に見解を伺いました。

 

以下に、議会での質問と理事者側の答弁を掲載いたします。

 

 

 

<質 問>1回目

 PTAの改革支援について伺います。PTAの目的は、会員である保護者と教職員が協力し合い、家庭・学校・地域社会において子どもの幸せの実現のために健全な育成を図ることです。コロナ禍において、PTAでは例年どおりの行事が開催できず、PTAの目的どおりの活動ができないという課題に直面していますが、このような時期だからこそ、PTAが直面している課題解決を支援し、今後のために適正化・活性化を図る必要があるのではないかと考えます。
 

 

そこで、1問目はPTAに係る諸課題についてまず4点伺います。
 1点目です。PTA活動に対して、本市教育委員会としてはどのような支援を行っているのかについて伺います。


 次に、PTAに係る諸課題について伺います。
 質問の2点目として、PTAの加入の在り方についてです。加入手続に関して、現状重大な課題があると考えます。PTAでは加入・非加入の意思確認や規約への同意確認といった適正な手続が実施されないままPTA活動が始まり、保護者はいつの間にかPTA会員と呼ばれるようになります。会費は口座振替による徴収のため、口座振替依頼書を提出しないことによって非加入の意思を間接的に表示できるものの、PTAに加入する、加入しないといったごく当然の意思表示プロセスがありません。
 そこで確認のため質問いたしますが、PTAへの加入は任意加入なのでしょうか。それとも強制加入なのでしょうか。任意加入の場合、入会届を記入していただくことが望ましいと考えますが、本市で実施しているPTAはあるのでしょうか。小中学校でそれぞれ何校あるかも含めて、ご答弁をお願いいたします。


 3点目は、会費徴収の在り方についてです。
 会費の徴収については、口座振替のほか、子どもが持ち帰る集金袋に現金を入れる方式の現金徴収を実施している学校もあるようです。口座振替を実施しているPTA、現金徴収しているPTAはそれぞれ何校あるのでしょうか、ご答弁お願いいたします。
 

 4点目、組織の在り方についてです。
 PTAは毎年役員や委員の顔ぶれが変わるため、効率化や制度改正をしようという機運になりにくいといった課題があります。その結果、時代錯誤の慣習や非効率な作業、地域団体とのしがらみ等の課題が改善されないまま次年度に先送りされています。
 また、PTAでは子どもの在学中に一度は委員をという一子一役を保護者にお願いしている場合が多々あります。委員の立候補が定数に満たない場合、委員未経験者からくじ引きで委員に選出するということが一般的になっています。くじ引き等で委員に選出された保護者は、ほかの保護者からの評判を気にして、結果として引き受けざるを得ません。


 このような様々な構造的な課題を有し、継続的な改善が起こりにくい構造のPTAは一旦解散して、保護者会として再出発することが望ましいといった意見もあり、そのような取組を実施しているPTAもあるようです。本市ではそのような事例はあるのでしょうか。また、PTAを解散し保護者会として再出発するといった意思決定は、誰がどのようなプロセスを経て実行できるんでしょうか。教育委員会の許可等は必要なのでしょうか。事例等があればご教示ください。

 

 最後、5点目ですが、Wi-Fi環境等の整備に関する課題について質問をさせていただきます。
 コロナ禍でPTA活動も様々な変化が求められています。本市PTAでもインターネットを活用したZoom会議などの取組も始まっています。
 しかし、学校内に設置されておりますPTA室にはネット環境がないため、PTA独自にWi-Fiの契約をしているのが現状です。しかし、任意団体であるPTA名での契約は難しく、PTA会長等の役員などが個人契約する必要があります。支払いや責任の問題、役員が交代した際の課題などもあります。ネット環境がなければ学校では自分のスマホ回線などを使うしかなく、役員になるとPTA活動で個人の通信費が上がってしまうことになりかねません。
 こうした中、国のGIGAスクール構想を受けて、昨年度末までに市内全小中学校にタブレット端末が導入され、Wi-Fi環境も整いました。その校内ネット環境をPTA活動でも利用できれば、上記課題が解決できるのではないかと考えます。感染症対策として、保護者と教職員がリモート会議をやりやすくなるのではとも考えます。PTA活動での各校のWi-Fiを使用することは可能なのでしょうか。ご答弁をお願いします。
 以上、1問目の質問とさせていただきます。

 

<答 弁>

 PTAの改革支援についてのご質問にご答弁申し上げます。
 まず、1点目についてですが、PTAに対する支援といたしましては、家庭の教育力の向上を図ることを目的に、各学校園PTAが実施する家庭教育学習会と人権問題学習会に対して、情報提供や学習会開催に係る経費等の支援を行っております。また、高槻市PTA協議会との連携を図るとともに、指導者研修会やPTA大会を共催事業として実施しております。
 次に、2点目から4点目までのPTAの運営に関わる内容につきましては、市では把握しておりません。
 5点目の校内ネットワーク環境の利用についてですが、各小中学校の校内ネットワーク環境は、教職員、児童生徒が自身に貸与されている端末を使用することを前提に整備しております。このため、その他の端末により使用することはできません。

 

<質 問>2回目

次に、PTA改革支援に係る2問目の質問は5点伺います。
 1点目、1回目の質問でPTAに係る諸課題について質問させていただきましたが、PTAの運営に関わる内容について市では把握しておりませんとのご答弁でした。PTAは保護者と教職員による共同体であることからも、本市としてもPTAの実情や課題についても把握しておく必要があると考えます。把握していない、把握できない理由について、教育委員会の見解を伺います。

 

 2点目、PTAの定義について、PTA・青少年教育団体共済法には、PTAとは学校に在籍する幼児、児童、生徒もしくは学生の保護者及び当該学校の教職員で構成される団体またはその連合体をいうとして、PTAの定義が示されています。PTAとはペアレントティーチャー、アソシエーションの頭文字を取ったもので、一般的に各学校で組織された保護者と教職員による社会教育団体とされています。
 しかしながら、社会教育法にはPTAが社会教育団体であるといった位置づけについては記載がありません。PTAが社会教育団体である根拠について、教育委員会の見解を伺います。
 また、本市との関わりについて、社会教育関係団体とはどのような団体で、どのような位置づけにあるのでしょうか。


 3点目です。学校の関与に関する課題についてです。
 先ほども触れましたが、PTAは保護者と教職員による団体です。しかしながら、教職員がPTAの会合に出席して意見を述べる機会はほとんどなく、学校からPTAの会合に参加していただいているのは校長先生と教頭先生だけであることが一般的となっています。PTAは保護者と教職員との共同体ではなく、どちらかというと保護者と学校管理者による団体となっているのが実情です。管理職の意向はPTAに伝えられますが、それは全教員の意向を代弁してるとは限らないのではないかと思っています。
 そこで質問ですが、PTAのT、ティーチャーのことですが、教職員はPTAとはどのように関わっていただくことが望ましいとお考えなのか、教育委員会の見解を伺います。


 4点目、個人情報の取扱いに関する課題について伺います。
 PTAでは、新年度になって委員選出を行うに当たり、保護者から委員就任の希望を書面で確認しています。その際、全ての保護者が希望を提出したかどうかをチェックするために児童名簿を利用することが慣習となっています。PTAは児童名簿を入手するには学校に頼らざるを得ず、学校は新年度のクラス分け発表の直前に、児童の氏名が記載された児童名簿が学校側からPTAに提供されている現状があります。
 また、転入生や転出生の氏名も学校からPTAに提供されますが、該当する保護者に事前に同意を得ているわけではないようです。学校側のこれらの行為は高槻市個人情報保護条例第10条に抵触するおそれがありますが、問題はないのでしょうか。教育委員会の見解を伺います。
 また、このような課題を解決するためにはどのような手法が考えられるでしょうか。併せて教育委員会の見解を伺います。


 5点目です。Wi-Fi環境等の整備に関する課題について、こちらは要望を述べさせていただきます。
 校内ネット環境の利用については、教職員、児童生徒が自身に貸与されている端末を使用することを前提に整備しているため、その他の端末により使用することはできないとの答弁でした。いろいろと各校のPTA役員さんからお話を伺っておりますと、Wi-Fi環境の構築に非常に苦労されているようです。Wi-Fi契約については、PTAは任意団体のため法人契約ができず、PTA会長や役員さんが個人契約をして個人で使用料金を立て替えた上で、PTA会費から補填をしたりと対応されているようです。役員が変わるたびに名義変更を余儀なくされ、また途中解約の違約金が発生したりと、PTA活動を実施するに当たって顕著な課題となっています。
 社会教育法からの一部抜粋ですが、同法第3条には、国及び地方公共団体の任務として、国及び地方公共団体は社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、中略となりますが、努めなければならないとあります。今後のPTA活動を活性化させるためにも、GIGAスクール構想で校内ネット環境が整った今だからこそ、PTAでの活用もできるよう検討してください。5点目に関しましては要望とさせていただきます。

 

<答 弁>

PTAの改革支援についての2問目にご答弁申し上げます。
 まず1点目及び2点目についてですが、昭和46年4月30日付、「急激な社会構造の変化に対処する社会教育のあり方について」と題された国の社会教育審議会答申の中に、社会教育関係団体に該当する団体の一つとして、両親と教師によってつくられている父母と先生の会(PTA)などがあると示されており、文部科学省のホームページでは、PTAを社会教育関係団体と位置づけ、PTA活動の重要性を広く周知するために活動実践事例を紹介しております。
 このようなことから、本市においても同様にPTAは社会教育関係団体であると認識しております。
 また、社会教育法第10条において、社会教育関係団体とは法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいうと定義されており、その位置づけについては同法第12条において、国及び地方公共団体は社会教育関係団体に対し、いかなる方法によっても不当に統制的支配を及ぼし、またはその事業に干渉を加えてはならないと定められております。
 この趣旨を踏まえ、PTAに限らず社会教育関係団体の運営に関わる内容については、市では把握しておりません。


 3点目の教職員とPTAとの関係についてですが、PTAとは子どもたちの健やかな成長のために保護者と教職員が協力し、連携を深め、互いに学び合う団体であると認識しております。


 最後に4点目についてですが、各校の委員選出時の対応等につきましては承知しておりません。以上でございます。

 

<要 望>

PTA活動について、3回目は意見を述べさせていただきます。
 ご答弁いただきましたが、社会教育法によって教育委員会側はPTAを含む社会教育団体に干渉を加えてはならないと認識していることが理解できました。PTAがあくまで任意団体であるために、教育委員会がPTAの動向を把握してない旨の答弁については、一定理解しております。私個人の意見としても、教育委員会からPTAの保護者に対して何かああしなさい、こうしなさいといった干渉は必要ないと考えています。


 一方で、PTAは文字どおり保護者と教職員の連合体です。学校側の個人情報の取扱いやWi-Fi環境などについては、教育委員会としても現状を把握していただきたく、一般質問をさせていただいていることをご了承いただきたいと思います。教職員においても日々多大な業務を負う中で、PTA活動に時間を割いていただくことが負担になっていることもあるようです。PTAのティーチャー部分を切り離し、保護者会として再出発することも今の時代に合ったPTAの在り方の一つではないかと考えています。


 私も今年度はPTA役員を務めさせていただきましたが、他の役員さんや他校PTAとの意見交換をしていると、子どもたちのために何かしたいという思いが強い方々が集まっていることに感動を覚えました。しかしながら、PTAは任意加入のボランティア団体であるにもかかわらず、実質的な強制加入であったり、毎年恒例の活動を前年どおりにこなすことが実質的な仕事となっていたりと、何のためにPTAがあるのか、各活動が何のために行われているのかという目的が伝わらないままPTA活動の仕事だけが踏襲されがちです。そのため、PTAと聞くとどうしてもやらされている感が強まるのは否めません。本来の目的からすると非常に残念なことです。


 保護者の皆様は、PTAの本来の目的自体を避けているのではないかと感じています。前年踏襲のやらされている感、何となくやり続けて、やり続けないといけない感に嫌気が差してるのではないかと感じます。初めて顔合わせした保護者同士だけで、これらPTAの諸課題を解決することは非常に労力がかかります。コロナ禍を契機に、PTAが抱える課題の解決を支援し、今後のために適正化・活性化を図るサポートが必要と考えます。子どもの幸せの実現のために、保護者と教職員、教育委員会がオブザーバーとしてでも結構ですが、三位一体となってまずは課題の把握、整理をしていただきたいと思います。
 意見として述べさせていただきまして、私からの一般質問を終わります。

 

 

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